「北鎌フランス語講座」の作者による、葉書の文面で読みとくフランスの第一次世界大戦。

ランス占領下の告示

参考:占領下で発布された「告示」

 参考までに、街が「占領」されるとどうなるのかを示す例として、開戦まもない1914年9月4日~13日にドイツ軍がフランス北東部の都市ランス Reims を占領したときに市民に発布された(正確にはランス市長ジャン=バティスト・ラングレ Jean-Baptiste Langlet が強制されて発布した)「告示」の日本語訳を以下に掲げておく。



告示

 本日または近日中にランス近郊またはランス市内で戦闘が発生した場合、住民は極力冷静を保ち、いかなる方法によっても戦闘に加わろうと試みてはならないので、この旨、通告する。住民は、ドイツ軍のはぐれた兵士や分遣隊を攻撃しようと試みてはならない。また、バリケードを築いたり道路の敷石をはがして部隊の動きを妨害することなど、要するに何らかの形でドイツ軍にとって害となりうる一切のことを企てることを固く禁止する。
 部隊の安全を十分に確保するため、またランス市民の静穏を保証するため、下記に挙げた人々がドイツ軍司令部によって人質に取られた。僅かでも擾乱の企てがあった場合は、これらの人質を絞首刑に処する。また、前記の規定に対して何らかの違反があった場合は、街の一部または全部に火を放ち、住民を絞首刑に処する。
 逆に、街が完全に平穏のままである場合は、人質と住民はドイツ軍の保護下に置かれる。

ドイツ当局の命令による
市長ラングレ

 ランスにて、1914年9月12日

人質のリスト
(略)



原文

ランス占領下の告示



出典:
Saint- Georges de Bouhélier, Les Allemands destructeurs de cathédrales et de trésors du passé : mémoire relatif aux bombardements de Reims, Arras, Senlis, Louvain, Soissons, etc., accompagné de photographies et de pièces justificatives, Hachette, Paris, 1915, p.12

















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